リーダーシップとは、
信頼の構築を通じて成果を生み出しながら
自らを教育し続けるリーダーの生き方そのものである。
ある一定の領域に達すると、通常の人であれば満足してしまうことも
リーダーは常に革新を求め、安心領域や心地よさから飛び出すことで
自他共に、人々を成長させていく。
人は、無意識にも意識的にも、「安定した秩序」を求める。
今、自分が置かれている秩序が、どれだけ矛盾と生きづらさを伴うものだとしても、
秩序なしに生きることの方に恐怖を感じる。
そして、いつの間にかその秩序に支配され、自己価値は低下し、誤ったものの見方が定着する。
リーダーにとって重要なのは、本質的なものの見方、物事のどおりの見極め方を身につけさせることだ。
今の秩序の矛盾に気づき、変わりたい、今の環境から飛び出したいと思ったとしても、
ものの見方が過去のままであれば、他の環境で同じ秩序を生み出してしまう。
リーダーは、常に「今、我々は何に取り組む必要があるのか」を考える。
リーダーは、活動の場を作り出す。
自分とフォロワーが繋がりを感じあえる関係をつくることはもちろん、
フォロワー同士が、お互いを尊重し、強みを活かしあえる機会と環境をつくる。
リーダーは、場を作り出し、場に参加させ、
場を向上させるために、個々のフォロワーに必要な学習を促進させる。
個人の能力の向上なしに、組織の向上は望めないからだ。
組織のために個人の能力が必要なのではなく、
個人の能力を高めるために、組織があるということを、真のリーダーは知っている。
リーダーは、基準をつくる。
成果は、組織内の当たり前の基準によって生ずる。
リーダーがすべきことは、どの基準を目指すのかを明確にすることである。
それに賛同し、行動する人材は成長し、そうでない人材は衰退・撤退していく。
それでも、前に進むことのできるリーダーが、真に人を育てることができる。
成果を生み出せない人材へは、相手とチームを守るために、
期限と求める成果を明確にして、最大限のサポートをすることが必要になる。
その際、業績評価システムに、ビジョンや組織の価値観・基準を反映することで
リーダーの主観ではなく、組織としての基準も明確にする必要がある。
リーダーは、ミッションとビジョンを語る。
リーダーが最初に行うべきは、組織全員が、ミッションを目にし耳にし、
ミッションと共に生きることができるようにすることである。
ミッションが見えなくなれば、直ちに問題が生ずる。
我々は、何度もミッションそのものを見直していく必要がある。
また、ミッションに基づき、活動した結果、実現される未来がビジョンである。
皆が迷わないよう、成果に繋がる方向を指し示し、
個人の目標と、全体の目標とが一致していることを何度も語る。
リーダーは、人の才能、可能性、強みに着眼する。
目の前の人や組織が持っている強みを引き出すことで、生まれる成果や結果に目を向ける。
同時に、客観的なニーズ、客観的な条件、現実的機会も観察する。
可能性(イメージ)と現実を結びつけ、成果を繋げることに責任を持っているのがリーダーである。
リーダーはその為に、関わる人々に、機会と役割を提供することによって
人々の内なる品性・霊性を呼び起こす。
リーダーは、自らを創りあげる。
私の知っているほとんどのリーダーが、生まれつきのリーダーでも、
育てられたリーダーでもなかった。
自らの志を貫き、成功と失敗を経験しながら、自らをリーダーとしてつくりあげた人たちだった。
われわれは、生まれつきのリーダーをはるかに超える数のリーダーを必要としている。
リーダーは、危機の到来を予期する。
リーダーは常に、過去、未来、現在を見据え、それらを繋げる。
リスクを予知し、回避できるかどうかは、
リーダーの戦略レベルによる。
リーダーが己を治めるのに、必要なことを2つにまとめてみた。
一つ目は「信頼」である。
自分への信頼、民への信頼、そして天(見えないもの・先祖・自然など)への信頼。
どんな問題や課題が発生しようとも、最後まで諦めない、人間の本質である愛を信じるということ。
二つ目は「未来」である。
着眼大局・着手小局の観点から、大きなビジョンを語り、共感を生み出し、感動を起こす。
その上で、目の前の小さな出来事を一つひとつ丁寧にこなしていく謙虚な姿が、民の心を動かす。
リーダーが、リーダーたる所以は、コミュニティにある。
ひとりでは、リーダーにはなれない。
ゆえに、リーダーシップを発揮する人間は、人間について徹底的に探求する存在である。
リーダーになる人間には、まず、衝動が訪れる。
何かを感じとり、居ても立っても居られなくなり、今の環境を飛び出したくなる。
だが、明確な目的もなく、自己変革を起こす手段も持っていない状態では、
また、秩序の中に還らざるを得なくなる。
このステージでは、勇気が必要になる。
自分の感覚を信じ続けることができるか。
過去の自分と決別し、新たな自分を生きる覚悟が本当にできているのかが試され、
その試練にクリアすると、
同じように衝動にかられ、一歩踏み出した仲間と出会うことができる。
一人で見えないことも、仲間とともに見ることができるようになるため
成長の速度が加速し、気づきと奇跡が毎瞬訪れ始める。
そして、自らに刃を研ぐ(自分を育て続ける)習慣をつくることで、感情の起伏が安定し
ビジョンを語るだけなく、ビジョンを具体的な形にする力も同時に身につけていく。
コミュニティの中でも、方向性を見出し、繋がりを見出し、可能性を見出す役割を担い始める。
最終的に衝動は、意志へと昇華する。
諦めるという選択肢がなくなり、試練を経て、自己統合を完了させる。
自己奮起ではなく、どれだけ他者を奮起させることができるか。
この時、リーダーは主張することではなく、理解すること、共感することによって、
フォロワーを鼓舞し、信頼関係をつくる。
そして、フォロワーとの一致感を感じることによって
自分自身の本当の姿を思い出すのである。
(参考記事:ヒーローズジャーニー)
最後に。
リーダーは弱音をみせることは、ほとんどないが
唯一、マネージャーには弱音をみせることがある。
もし、リーダーの弱音を聞きたいのであれば、
あなたはマネージャーとしての力量を身につけることをお勧めする。
■ 目的や進むべき方向を明確にする。第一の創造「知的創造」=リーダーシップ
■ 能率・効率よく物事を進めながら結果を生み出す。第二の創造「物的創造」=マネジメント
リーダーシップのあり方の一つ(サーバントリーダーシップ )
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