なぜ、プロジェクトやチームには、事業計画が必要なのか


 

これまでたくさんの方に関わり、素晴らしいビジョンを掲げているリーダーやチームとお会いしてきましたが、みなさん「何をするかは語られるのですが、どのようにするのかという戦略や計画を持たないまま、進められている」ケースが多く見受けられました。

その結果、途中で資金がつきたり、人間関係のトラブルが起きたり、リーダー自身が疲れ果ててしまったりして、プロジェクトが数年で頓挫または停滞。

そうなってくると、人が離れてしまうので、また新たな人を募集して、新体制で進めようとするのですが、結局は同じことの繰り返し。

これが、自分が数多見てきた、「理念やビジョンを持っているが、戦略や計画を持っていないプロジェクトでのよくあるパターン」の実例です。

 

リーダーのなかには、事業計画がなくてもやればできるし、やるしかない。そもそも事業計画がつくれないし、これまでもなくてもやってきた、という方もいらっしゃいます。

ですが、プロジェクトや経営において、事業計画は地図です。

肌感覚があり、ビジョンを受け取れるリーダーであれば、地図なしでも進み続けることも可能かもしれませんが、多くの人を巻き込むプロジェクトや経営に関しては、地図やコンパス(ミッション・ビジョン)なしで進むのは、とてもリスクが高いことだと思います。

リーダーがつくれないのであれば、事業計画をつくれるマネージャーやコンサルタントを仲間に引き入れ、リーダーが語る言葉を文章にし、イラストにし、資料にしていけばよいのです。

それでも事業計画をつくれない、つくらないというプロジェクトには、基本的には関わらないようにしています。

なぜなら、そのような状況ではMTGを重ねても、なんとなく数時間話して、結論がでないまま終わり。知恵や経験も積み重ならず、主要なメンバーが抜けたら、何をどうしたらいいか分からない、とう状況に陥りやすいからです。

それを改善するためのフィードバックが行われたとしても、それよりも今はとにかく動くしかない、という言い訳を重ね、結局組織が疲弊し、本来いて欲しい人のはずの人、いなければ組織が回らなくなる人がいなくなる、ということも少なくありません。

また計画や戦略がないということは、目標設定や管理、予算や経費、報酬形態も曖昧で、貢献心から関わろうとする方々がずっと無報酬で関わらなければならない状況も続く恐れがあります。

人間関係とお金のトラブルが、あらゆる組織やコミュニティにおける二大課題であることを理解しているリーダーであれば、未来を実現するためには計画や戦略が必要であることを理解するはずです。

もちろん、事業計画がなくても成功するプロジェクトやチームはたくさんあります。

最近は、ティール組織や自立分散型組織など、ルールや形式にとらわれないプロジェクトや組織も増えてきました。

もちろんそれで成果がでるなら事業計画は必要ないかも知れません。

ですが、コミュニティ内の調和と、現実的な成果の両輪を回していくには、やはり地図が必要だと感じています。

もし、事業計画や戦略なしにうまくいっている組織やチームがあるのであれば、ぜひその秘訣を勉強させていただければ嬉しく思います。

「戦略なき理想は夢物語。理想なき戦略は悪夢。」

これは、自分が20代のときに出会った言葉です。

戦略と理想の両方をバランスよく兼ね備えたプロジェクトが、まさにエコであり、循環であり、持続可能で、自然の理にかなっているものだと思います。

 

事業計画書には3つの段階があります。

1.自分たちの考えを、とりあえずまとめたメモレベル

2.自分たち以外にも伝わる形にまとめた企画書レベル

3.戦略や計画が組み込まれ、融資や仲間集めに使える事業計画書

多くの事業計画書が、1で止まっているので、一旦自分たちの考えをまとめたら、「読み手」を意識しながら、実際に声に出して、何分で説明できるのか、流れはよいか。結論やこの資料を読んだ人たちに起こして欲しい行動やこちらからの提案が伝わるかを確認してみましょう。

 

【事業計画書に最低限必要なもの】
・タイトルスライド(タイトル、作成日、作成者名)
・ページ数
・目次
ビジョンミッション目標(ゴール)
・事業に至った背景
・サービス概要
・収支計画(エクセルの表)
・スケジュール
・プロフィール(写真)
・問い合わせ先

【参考リンク】事業計画書のつくりかた モデリングサイトをみてみよう

 


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