ステップ1 サーバントリーダーシップとは
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サーバントリーダーシップとは、
愛(一致)から世界を見るリーダーによる奉仕型リーダーシップである。
サーバントリーダーにとって重要なのは、
「奉仕する対象の成長と幸福」であり、
「誰かの役に立ちたいと」いう心からの願いを最大の動機としている。
サーバントリーダーにとっての成果とは、
奉仕を受ける人々が、人間的に成長し、人格を磨き、専門性を持つこと
そして、フォロワーが互いの関係性を育みながら、
フォロワー自身がサーバントリーダーとなっていくかどうか、である。
サーバントリーダーは、自らの活動を通じて、全体性(ホールネス)を体現する為に、
コミュニティにおける共同体意識を高めることや、
組織内の人々が心の在り方について理解を深めることができるようアプローチする。
その為には、ビジョンが必要になるが、
サーバントリーダーが提示するビジョンは、明確な目的を持ちつつも、
穏やかな未来を生み出すものためのものが多い。
壮大な未来に対して大きな変革を起こすというよりも、
今の組織が知っていること・できることに基づいて行動すれば、
着実に現実にできるものである。
サーバントリーダーは、奉仕する(与える)ことは痛み(恐れ)ではなく、喜びであることを伝える。
その為、誰かや何かの犠牲の上に成り立つ正義は求めない。
また、サーバントリーダーは、決して優れたリーダーである必要はない。
自己を理解し、他者を理解し、思いやりと奉仕によって
社会をよりよい方向に導きたいと思っているのであれば、誰でもサーバントリーダーになれる。
特に、女性的な感性を持っている人であればなおさらである。
以下、大きく3つのポイントにまとめて、
サーバントリーダーシップを説明していく。
ステップ2 意思決定
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サーバントリーダーは、意思決定を一人では行わない。
必ずフォロワー(奉仕の対象)との関わりを通じて、最善の選択を見出していく。
なぜなら、意思決定とは、コミュニティ内における声なき声に気付き、その集合意識を読み解き、言語化、ビジョン化することにあるからである。
他者と一致した意思決定を行うには、個人の内的な対話を行う必要がある。
組織内の意思決定に、リーダーという肩書きや権力を使うことはない。
目の前にある事象を抽象的に捉えながらも、具体的な行動指針やストーリーを語ることで、ビジョンと現実を一致させ、フォロワーの安心と賛同を得る。
サーバントリーダーには、先の未来と今の課題の関連性を直観的に見出すことができるからだ。
ビジョンとリーダーの関係は、常にビジョンが先立つことが、自己再生する組織を作るのに欠かせない。
コミュニティを団結させるのは、リーダーではなくビジョンであり、リーダーはビジョンの代弁役である。
ビジョンとは、リーダーのものではなく、一人一人のものである。
リーダー自身が、フォロワーと共有している夢に導かれているのだ。
ステップ3 コミュニケーション
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サーバントリーダーは、誠実さと倫理観を土台とした信頼関係を築き、フォロワーの個人的な成長と組織の質を高めていくことに注力する。
通常のリーダーが作る組織が、成果重視・個性主義であるのに対し、サーバントリーダーは、関係性重視・人格主義の組織を目指す。
サーバントリーダーの特徴の一つは、コミュニティや組織を通じて、自己を癒し、他のメンバーや組織そのものを癒すことにある。
全体性(ホールネス)とは、すべては繋がりあい、響きあう存在であることを経験することで感じる、内なる平安である。
この領域には、気付く力、自己認識力を高めることによって到達することができるが、他者との関係性を通じてしか行き着くことのできない領域である。
ステップ4 コミュニティ
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サーバントリーダーは、人々の成長の為にコミュニティや組織を重要視する。
コミュニティや組織の第一目的は、人間としての人格の形成であり、人格者は奉仕を喜びとする。
自らが直接的に関わることではなく、組織文化を育むことによって、自分を含めた組織内の人々の成長を実現する。
そして、フォロワーの成長に伴い、フォロワーにも他者への奉仕と導きの機会を求めるように促すことで、コミュニティ全体の可能性と方向性を確かなものにしていく。
サーバントリーダーは、次のサーバントリーダーを生み出すことで、よりよい社会を実現していく。
コミュニティ内に奉仕の文化が生まれると、シナジー(部分の総和よりも全体が素晴らしいものになる)が発揮される。
サーバントリーダーが起こす変革とは、組織内一人一人の哲学と自己認識に対する優しい変革である。
それに、必要なのは新しいものの見方と在り方である。
サーバントリーダーシップの始まりは、
「全体性(ホールネス)と自己発見」を目指して、個人的な旅を始めることにある。
まずはじめに、奉仕したい、他者や社会に貢献したい、という気持ちが自然と湧き上がる。
そして、自らの行動を意識的に選択することによって、他者を(通じて自らを)導きたいと強く願うようになる。
サーバントリーダーは、求道者とも言える。
己の道を生きるためには、他者との関わりが必須であることを悟っている。
そしてその道を生きるために必要な強さとは、「自分は弱い」ということを認め
他者との関わりなしに生きることはできないということを受け入れる強さである。
この生き方を通じて、自らを独自の存在として再発見すると同時に
フォロワーにも同じ体験を伝えていくことになる。
要チェック!!
あなたがサーバントリーダーになりたければ、この質問を問えばよい。
・私は、誰に奉仕するのか。
・何の為に奉仕するのか。
・その為に、自分自身を育ててきたか。
・これからも、自分自身を捧げていく覚悟はあるか。そこに喜びはあるか。
サーバントリーダーが受けとる報酬(成果)は、金銭ではなく、精神的なものである。
最終的には、組織が他の組織に奉仕し始め、
競合という概念からパートナーへと変わることで、
社会における組織やコミュニティの定義が根底から変わるだろう。
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