次世代のコミュニティに大切な5つのこと


 

人はコミュニティとの共存なしに生きることはできません。

新しい時代のコミュニティとは、どんなものなのか。

どうすれば、スムーズなコミュニティ運営ができるのか。

少し考察してみたいと思います。

 

1.本音の対話が行われていること

まず、最も大切であり、基本となるのが、

『常に、本音の自己開示とフィードバックが行われており、

 対話に参加している一人一人が、場の力を認識していること』です。

個人の集合体がコミュニティなのではなく、

コミュニティという”場そのものが意思をもっている”という

新しい認識を持つことが、すべての始まりです。

個人が対話をするために場があるのではなく、

場から見えない意図を受け取っていくことを対話のベースにしていきます。

そうすることによって、場に安心と信頼が生まれ、

新たな気づきと、次に行うべき具体的行動が見える化されます。

そのためには、場が安心・安全であり、

今の弱音や人生において辛かった経験などをシェアしていくことや、

自分の特徴(強みや弱み)を公開していくことが重要です。

また、どれだけ人数が増えても、一対一の対話を欠かすことはできません。

 

2.参加型であること

 

次世代のコミュニティの基本構造は、

トップダウンではなく、参加者一人ひとりから生み出される

直感にしたがって、コミュニティの方向性を決めていく参画型です。

従来の指示系統が明確なヒエラルキーのコミュニティではなく、

毎瞬毎瞬、指示系統が変わるため、信頼と柔軟性を軸にしたコミュニティにおいて

気付いた人が役割という考え方をベースに、

自分が毎瞬受け取った直感を場に出していき、その直感を全員で確認しあい、

その上で具現化するものはどれなのかを検討、試行錯誤を加えていくことによって、

コミュニティに必要なものやことを現実化することができます。

ここでのコツは、小さなサインに気付いた人とそれらについて専門性を持っている人が

シナジーを生み出すための対話を、スピード感を持って始めることです。

個々の専門性と個々の阿吽の呼吸(信頼関係)が重要になるため

役割や強みの違うメンバー同士が、互いに補完しあい、

シナジーを生み出すことのできる関係が軸となります。

直感を受け取った人が、きっかけのリーダーシップを取ることによって、

コミュニティの持つ価値と価値を繋げ、ビジョンを具現化していくために

一部のリーダーに依存する必要がありません。

参画型コミュニティでは、一人ひとりがなんらかのリーダーである事を自覚しており、

出来る人が出来ない人を引っ張っていく、指導していくという形ではなく、

それぞれが自分の個性や専門性を活かしてコミュニティに貢献しあうことで、

相乗効果、シナジーを生み出していきます。

そのため、たった一つの専門性、必殺技を持つことが求められます

 

3.規約に対する柔軟性が高いこと

 

コミュニティにおけるルールや規範、価値観を固定化せず、

常に変化し続ける組織と、それらに柔軟に対応できるメンバーは、

次世代のコミュニティに欠かせないものになります。

自分たちが決めたルールに縛られることなく、

必要に応じて、対話を行い、本音で話し合うことで、

変化に強く、同時に、しっかりとした軸のあるコミュニティを運営することができます。

 

そのためには、自己犠牲のドラマから卒業していることが重要になります。

与えることを喜びとするメンバーの意識状態(自己愛に満たされている)でなければ、

自己防衛が始まり、ルールで人を縛ったり、倫理観のずれたやりとりが進みます。

まず、メンバー一人ひとりが自己愛に満ちた状態で

互いを満たしあうための指針が、規約としてあるという認識が大切です。

 

 

4.リスクを共有すること

 

従来の組織では、リーダーや株主など、

リスクを持った人が権力や決断、発言権を持っており、

その他のメンバーは、それに従うことでリスクをその人達に代わりに背負ってもらっていました。

ですが、次世代のコミュニティにおいては、

それぞれができる範囲でのリスク共有を当たり前にしています。

ある人は、能力で。ある人は、金銭で。ある人は、時間で。ある人は、資源で。

誰かや何かに局部的な負担がかかっていたり、

依存するエネルギーがあるコミュニティには、循環が生まれないため

メンバーの入れ替え、内部の人間関係の不具合などが生じ続けてしまいます。

 

コミュニティ運営で大事なのは、

コミュニティを育てるという意識をどれだけのメンバーが持っているかです。

従来、自分の成長に応じてコミュニティが変わり

ステージが変わる毎に関わっていく人が変化していくことが当たり前とされていましたが

これからは、一生涯付き合っていきたい、いけると思える人達と、

お互い一緒に居続けられるように、共に変化をしていくコミュニティが繁栄していきます。

血の繋がった家族であれば、それぞれが成長したから、家族としての関係が終わる

ということがないのと同じだと考えてみてください。

 

自分がコミュニティに貢献する人間であり続けると決めた瞬間に、

コミュニティや、そこに居る人達への見方が変わり、結果が変わってきます。

もし、コミュニティないでプロジェクトを発足する場合は、

関わる個人のメンバーが、最も得たいもの・喜びを明確にし、

それをチームメンバーと共有してから始めていきましょう。

 

5.4つの神器を持っていること

 

1. 集い、語り、食事を共にできる場所

信頼関係と絆を作るのに最も効果的なのは、寝食を共にすることです。

ここが自分達のホームグラウンドだ、と思える場所を作ってみましょう。

この拠点に関しても、一部の人がお金を出すのではなく、

全員で可能な範囲でお金を出し合い、対話を行える拠点を持ちます。

お金を出し合うことは、4のリスクを共有し合うこととも繋がってきます。

その際に重要なのは、下記のポイントです。

・気が良いこと
・居心地が良く、対話がスムーズに行えること
・人目を気にしなくていい自分でいれること
・ご飯が一緒に食べれること。
・時間を気にしなくていいこと

仕事を前提にした拠点ではなく、

語らいや繋がりのに軸を置いたコミュニティの拠点をつくっていきましょう。

(参考)Googleなどもオフィス作りに力を入れています

 

2.バイブルがあること 

理念やビジョン、方向性などがまとまっている印刷物と作ると

一気に、コミュニティの基準と広がりが加速します。

自分たちのミッション、ビジョン、理念、方向性などをA4一枚からまとめていきます。

ここでは、文字化、文書化するということが大切です。

コミュニティ内で、「なんとなくこれが大事だよね」という

認識はされているけど、文字化・明文化されていないことを

あえて文章にまとめていくことで、全員の基準や方向性がまとまり

その結果、次の展開や場の意思を受け取りやすくなります。

「なんとなくこうだ」という曖昧なものから

「これが大切です」と言えるものを具体的に定義付けていきましょう。

 

3.伝道師がいること

全ての人の営みの中で、一番抽象度が高く、

あらゆる業種業態に適応できるのが教育です。

すべての経済活動は、最終的に教育に行き着きます。

人を引っ張っていける人ではなく、主体的な人を育てることができる人が

次の時代のリーダーとなるため、教育者型のリーダーが重宝されていきます。

「私についてきて下さい」というリーダーではなくて、

「皆さんはどこに行きたいですか、私は皆さんと共にこういう方向に行きたいです」

という参加できる余韻を残すビジョンを提示し、

コミュニティの声なき声の代弁者が次のリーダーであり、伝道師です。

 

4.遊びを通じて、チームワークを高める文化があること

理念や文化のためだけでなく、一緒に過ごすことそのものが喜びであり、

普段から、旅行やスポーツ、余暇などを一緒に過ごしていることが

コミュニティの潜在的な結束力や絆を強めます。

また、単なる仲良しこよしで終わらないためにも、

チーム対抗のスポーツ大会を企画したり、

あえて、順位や優劣の結果が見える催しなどに挑戦するのもオススメです。

最も大切なことは、それぞれが各自の強みを祝福し、

その強みをコミュニティのために還元していくことにあります。

 

<参考記事>

従業員はほぼ全員ボランティア!ロンドン発、地域をつなぐ未来型スーパー「The People’s Supermarket」

 

 


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