価格戦略


 

事業を始めたいと思う人や

事業をさらに発展させたいと思うときに

ひとつの関門となるのが「価格」です。

 

価格は、自社ブランドの基準を示し、

理想とする顧客から選ばれる最初の理由になるため

感覚的な数値と論理的な根拠を融合して決めていきましょう。

 

1.プライシングを考える際の基本は、ターゲティング

誰に買って欲しいのか、誰に届けたいのかという

ターゲティングなしに、価格をつけることはできません。

価格は、商品を購入する際の決め手のひとつになるため、

どれだけいい商品・サービスであったとしても

プライシングを間違えると、まったく売れなくなってしまいます。

自分が届けたい人たちに届く価格で、かつ、

自分の生活や事業が成り立つためには、

単価と個数とリピート率のバランスを考える必要があります。
 

2.価値と価格の違いを理解する

価格戦略(プライシング)を決める際には、

「価値」と「価格」の違いを理解することからはじめます。

価値とは、顧客が本当に欲しい本質(感情)であり、

価格とは、それを得る為に必要な金額です。

この差額をどう設定するのかが、価格戦略になります。

 

価値の二つの側面は、以下の2つに分類できます。

1.機能ベネフィット(成果・効果効能・見た目etc)

2.情緒ベネフィット(感情・満足感・充足感・優越感etc)

 

価値の本質は、「情緒ベネフィット」です。

機能ベネフィットは、技術革新で古くなったり、競合に真似をされてしまいますが

情緒ベネフィットは、普遍的であり、あなたにしか提供できない価値です。

そのため、差別化は、情緒ベネフィットで行います。

 

情緒ベネフィットを理解するためには、

自分がは、本質的には何を売っているのか?をイメージすることが大切です。

例えば、ファーストフード店は、何を売っているのでしょうか?

同じ車でも、ベンツは何を売っていて、プリウスは何を売っているのでしょうか?

生命保険は何を売っているのでしょうか?

コンビニのコーヒーとホテルラウンジのコーヒー、価値の違いは何でしょうか?

価値と価格の違いを理解しなければ、適切なプライシングはできません。

同じものを売っていても、儲かるお店とそうでないお店があるのは

自分たちの価値に気づいているかどうかが大きな違いを生みます。
 

3.価格設定を行う為には、長期的なビジョンが必要

一つの商品が売れるかどうか、という短期的なものの見方ではなく

自分の事業のゴールと、顧客をどんな未来に導きたいのかというビジョンを照らし合わせ

その理想に導くまでの、期間と費用を計算し、価格を設定します。

・自社の提供する価値の本質は何か

・どんな問題を解決するのか、どんな望みを実現するのか

・同じ価格帯では、他にどんな商品があるのか

・短期商品と長期商品を組み合わせているか

・LTVの計算とファネルの設計はできているか

 

中小企業は多くの場合、低価格路線ではなく、高価格での勝負を押し進めるほうが効果的です。

大資本を持っている企業が競合になった場合、価格競争では、決して勝つことはできませんが

自社にしか提供できない価値が明確になっていれば、

市場の価格の変動に左右される割合は少なくなると同時に

リピート率も高くなっていくからです。

 

提供する商品自体の時間単価や市場価値で、価格を決めるのではなく、

その商品・サービスを通じて、クライアントが得ることのできる

成果や感情に基準をあわせることで、弱気な価格設定から抜け出していきましょう。

 

割引をすることはokですが、必ず定価を決めることが重要です。

 

そして、忘れてはいけないのが

「自分が顧客と一緒にどんなライフスタイルを送りたいのか」をイメージし、

クライアントと自分の人生を長期的に描くことによって

クライアントの人生や生活において、どんな役割・ポジションを果たすのかを知り

ストック型ビジネスとフロー型ビジネスを掛け合わせた事業設計を行いましょう。

 

単に、安ければいい、もしくは高ければいいというものではなく、

競合と差別化し、顧客が自社を選ぶ理由を明確にすることが、価格戦略の本質です。

 

 

4.PRFとCLF

また、価格戦略を考えると、単品では勝負できません。

商品群(PRF) Product Flow)」をきちんとつくることと、これに付随する

顧客の感情と現実の流れ(CLF) Client Flow)」をつくりましょう。

 

 

5.感情的な側面からみた価格戦略

もしも、あなたがAという商品を、10万円で売りたいと思うのであれば、

100万円の価値があると思って、販売をすることをイメージしましょう。

 

価値というのは、事業者が決めるものではなく、実はお客さんが決めるものです。

自分は100万円の価値があると思っても、相手は1円の価値も感じないかもしれない。

逆に、自分にとっては当たり前で無料でもやりたい、ということに大きな価値を感じてくれるかもしれません。

 

価格というのは、商品そのものにあるのではなく

与える側と受けとる側の関係性によって成立するものなので

自分だけ(提供者)で、あれこれ悩んでいても結論はでません。

まずは、「これが今の自分にできる精一杯」という商品を最高の価格に設定し、

実際に相手に受け取ってもらう。

その上で、改善点や改良を加えることで、徐々に本来の価格に落ち着いていくものです。

 

失敗や批判されることをおそれずに、今の自分にできることを通じて

相手との長期的な信頼関係を育んでいくことで

自分の価値を最大化していきましょう。

 

 


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